ひろのはこ

『(メンタル領域の)情報収集について』の要約テキスト

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説明

エッセイ本『(メンタル領域の)情報収集について』の要約テキスト公開ページです。
Kindleにてイラスト版の電子書籍(固定レイアウト)を販売中です。
紙版もBOOTHにて販売中です。

はじめに

今まで病気や薬、病院のことなどを調べてきました。それをベースにして、情報収集についてまとめました。

Ⅰ:情報収集の前に必要だと思うもの

①自分の気持ちの把握はあく

どんな気持ちで調べるかで、集まる情報は変わってくる

・例:
*処方薬を飲みたくない場合→ 薬のマイナス面の情報を多く得る
*処方薬は必要かもしれないと思っている場合→ 薬のプラス面の情報も得る
*処方以上に薬が欲しい場合→ 薬の入手方法を得る(違法なものを含む)

・自分の気持ちを「正しい」と思えるような情報が欲しいし、気持ちを否定されていると感じる情報は欲しくない。

・思いを強化する情報に触れがちなので、最初に自分の気持ちを把握しておきたい。

②長期的な視点

短期的な視点で調べ物をすると、リスクの高いものや詐欺さぎまがいのものを選びがち

・昔うつがひどかった頃は、「すぐよくなること」を望んでいた。それによってリスクの高い薬を処方されて、逆に体調を崩すことがあった。

・薬や治療の評価、診断の基準は変わっていくもの。

・変化を前提として、今のベストとベターを探っていたい。

③生活習慣の見直し

体調改善のための情報を集める前に、生活習慣を見直したい

・現状を整理する。「朝起きて、朝・昼・晩バランスよく食べて、排泄して、身体を動かして、眠ること」ができているか。

・簡単に体調の問題を解決できると謳っている情報にまどわされないようにしたい。
→参考文献:『民間療法は本当に「効く」のかー補完代替療法に惑わされないためのヘルスリテラシー』、大野智、化学同人

・例えば睡眠改善に高価なサプリやリスクのある薬を使う前に、リスクのない「寝る前のスマホをやめてみる」「朝食をしっかり食べる」などを試したい。

Ⅱ:情報収集に何を使うか

①新聞

新聞は情報や興味の入り口として有能

・インターネットは知識の深まりはあるけど、広がりは不足しがち。その点、新聞は幅広いことを見渡せる。

・病気や薬の新しい情報を知ることも多い。

・疑問点もある。自分ではよいと思えないことが肯定的に書かれていたり、どこかの発表がそのまま記事になっていたりする。

②本

本は(も)玉石混淆ぎょくせきこんこう (※すぐれたものと劣ったものが入りまじっている)

・「有名出版社から発行されている=正しい内容」とは限らない。

・個人的には結論を急ぎすぎず、不明な点も明記してある本が好き。

・引用論文に書かれていることと本文がズレていて、ミスリードしている本もある。

(余談だけど)カラーフィルムやリーディングトラッカーで読みづらさが改善する場合がある。

③ブログ

ブログは公式情報以外の細かいことを知れる

・個人の痛みなどの感覚や生活上の工夫など、細かいことを知りたくてブログをチェックすることがある。

・昔は変な義務感で、仲良くない同級生のブログや精神疾患の方のブログを読んでいて、それによって体調を崩すこともあった。今は、嫌な気持ちになるブログには極力アクセスしないようにしている。

・注意したいこと
*書いている人は書くことを選んでいる。
*内容には固有の思想や感覚、経験が影響している。

④SNS

SNSは純粋に情報収集するには向いていない

・理由
真偽しんぎ不明のまますごい速さで拡散されてしまう。
*気持ちと情報が一緒くたになっている。
*気持ちの共有と深まりが他の有益な情報を見えなくする可能性がある。

・例)死にたい気持ちを共有する場合
*その気持ちを私欲に利用したい人とつながりができてしまう。
*死ぬ以外の思考・情報を選びづらくなる。
※死にたい気持ちは小さくなる可能性もある。怖いなと少しでも思ったら、一回立ち止まろう。

⑤ネットの口コミ

ネットの口コミは参考にならないものも多い

・口コミの選び方
*評価を書いた人の他の評価もチェックする
*何に対しての評価かチェックする
*さくら(※売れるように客のふりをする人)の可能性を考慮する

・医療機関だと、あまりにひどい場合はのぞいて相性もある。

匿名とくめい掲示板

匿名掲示板は、いらないドロドロした情報をかきわける必要がある

・昔、2ちゃんねる(匿名掲示板)で転院先を探したこともあった。その時は、「どのクリニックが欲しい薬を簡単に処方してくれるか」という話題で盛り上がっていて、怖くなった。

・他の人の服薬感覚を知りたくて、5ちゃんねる(旧・2ちゃんねる)を見た時は参考になった。

・通院先は役所で相談してみればよかった。服薬感覚はもっと気軽に医療機関などで相談できればいいなと思う。

⑦研究所

研究所はいろんな有益情報を公開している

・よく薬の情報を調べる組織(※)ふたつ

ⅰ)独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA:Pharmaceuticals and Medical Devices Agency) →https://www.pmda.go.jp

→医薬品の添付文書が見られる。注意が必要な薬は、読みやすい患者向け情報もある。

ⅱ)国立医薬品食品衛生研究所(NIHS:National Institute of Health Sciences) →https://www.nihs.go.jp/index-j.html

→海外の規制機関の薬に関する安全性情報を翻訳・要約したものが見られる。

・たまに「海外の規制機関ではこうなのに日本ではこうだ」みたいなネット情報があるが、実際に海外の規制機関のWEBサイトを探してもその事実を確認できないこともある。

・一般公開日がある研究所もある。(研究所じゃないけど)各種学会や学術会議の一般向けシンポジウムなども興味深い。

(※PMDAを研究所の項目に入れてしまいましたが、研究所ではないですね…。)

⑧国立国会図書館

国立国会図書館の複写サービスが便利

・利用者登録をすれば、決まり事の範囲内でオンライン複写サービスが利用できる。

・日本の論文は、「科学技術情報発信・流通総合システム」(J-STAGE)で無料公開しているものも多い。

⑨キーワード

キーワードがあると、知りたい情報をゲットしやすい

・自分の特性に関する言葉や役立ちそうな言葉を見つけて、キーワードにする。

・本屋をウロウロしたり、誰かの話を聞いたり、アナログの方が見つけやすいかもしれない。

おわりに

私は情報を得ても様子見することも多いです。そして最近は、疲れるからと積極的な情報収集はしていません。

でも、少しずつでも情報にれて、現状のベターを探っていたいです。


ーおわりー