下記リンクをクリックするとそれぞれの作品まで移動します
誰かに癒やされたい傷を
制作:
誰かに癒やされたい傷を
誰にも言えずに抱えることで
誰かを猛烈に傷つけていて
誰も私に構わなくなった
これが傷なんです
手当てしてもらえませんか?
誰彼無しに伝えていくと
誰とはなしに笑い声がして
誰のせいだよと声が続いた
誰が言ったか見ることもできず
誰の目にも触れないように走った
誰でもいいから助けてほしい でも
誰が助けてくれるというのか
誰かへの願いを捨ててここで終えたいのに
誰に言われるでもなく
誰かに会うためにゆっくり歩きだす
誰かに癒やされたい傷を
誰にも言えずに抱えて歩く
あたえたふりして
制作:
持っていることが
制作:
持っていることがしあわせかはわからないよ
悲しみがひとつあったとして
それは何を持っていても悲しみだと思ったんだ
むかえにいかなくても
制作:
むかえにいかなくても春は来て
大切なものは探しても見つからない
風穴を開けよ
制作:
風穴を開けよ
息ができるように
叩き割るがいい
そしてそっと頭を撫でよ
抱きしめよ
よいと言うまで
味方のふりをやめてはならぬ
風穴を開けよ
本当が見えてしまう前に
風穴を開けよ
心など無いと
言ってしまえるように
「さよならの音がする」
制作:
世の中のすべての音が
「さよなら」に聞こえる病にかかった
葉っぱが テレビが 友人が ガスコンロが
私に別れを告げてくる
さよなら さよなら さよなら さよなら
それは 拒絶か決別か
あるいは おわりかはじまりか
それから 飛び立つのか沈むのか
私は無限のさよならを手にし
限りある身体に流し込んだ
聞こえるようにさよならを言い
すべてに別れを告げようか
さみしいと言う代わりに
さよならと伝えようか
「さよなら」しか言えない病にかかろうか
あるいは おわりかはじまりか
何食わぬ顔ではじまってしまおうか
おわりははじまりだよ
そんなことを言いながら
よいメッセージを
制作:
よいメッセージを発信している人が
それを体現しているとは限らない
どんなメッセージがよく思われるか
熟知していることは
人への優しさを意味しない
それでも
伝えることを選ぶなら
良い悪いのその先へ
行ってしまいたい
わいては消え
制作:
わいては消え
消えてはわく
とぎれとぎれの言葉を
なんとかつなぎ合わせる
私の口から出てくるのは
私じゃない気持ちばかり
ちがう ちがう ちがうの
その速さじゃ歩けないの
立ち止まって
落ちた言葉を
ひとつひとつ拾う
つなげない言葉が
光って見えたから
大事に取っておこうと思う
伝わる前の原石だよ
訪れないものを
制作:
訪れないものを待つことが
今日生きるのに必要だとして
調子の良い時の
制作:
調子の良い時の自分の言葉に縛られんなと思う
でも大切に持っててもいいよね
たまに世界が遠くなる
制作:
たまに世界が遠くなる
タノシイもウレシイも触れない
カナシイもクルシイも触れない
それくらいがちょうどいい
でも
あまりに世界が遠すぎて
私ひとり消えても
なにも変わらない
そう思えてくる
ねえ世界
聞こえてる?
私はしがみつくから
あなたもつかみ返してよ
キラキラしてないと
制作:
この世界であなたが
制作:
この世界で
あなたが生きている
生活している
それだけで
安心したりするよ
鎧を脱いで
制作:
鎧を着ている
それを脱ぐことはできない
多分 裸に鎧を着ているんだろう
脱ぐには服を着ないといけないけど
多分 着方がわからない
自分に合った服を見つけて
着る方法を身につけて
鎧を脱いで
ふわりふわり 外を歩こう
いつになるかわからないけど
ふわりふわり 外を歩こう
さみしさの化身
制作:
さみしさの化身
あらがえない力で
私の全てを奪っていく
返して返してよ
元から何もなかったのよ
とでも言うように
何も応えてくれない
誰もこっちを見てくれない
声がどこにも届かない
私だけひとりだ
私だけ空っぽだ
私だけさみしいんだ
どうしようもなくて
つかみそうになる何かを
精一杯ごまかして
涙を流しながら
洗たく物をたたむ
元から何もなかったのよ
そうかもしれない
だってこんなにも
さみしくて悲しい
(どうしたの?)
(見てるよ)
(聞こえてるよ)
(届いてるよ)
誰の声も聞こえない
私だけひとりだ
はっぱがゆれて
制作:
はっぱがゆれて
わたしがゆれて
ゆらゆら自分が
わからなくなって
このまま消えていければいいのに
なんて
ありえないこと考えて
はっぱがゆれて
気持ちがゆれて
ゆらゆらあなたが
わからなくなって
このまま消えてしまえばいいのに
なんて
半分本気で考えて
はっぱがゆれて
ゆらゆらゆれて
わたしとあなたが
わからなくなって
このままここで終わればいいのに
なんて
楽になること考えて
はっぱがゆれて
わからなくなって
わたしがゆれた
発光
制作: 夏
光舞う暗闇も
一瞬にして発光した世界へと変わる
ああ
あの星屑は
本当は桜だったのか
狂ったように舞う花びらだったのか
私の右手は途端温かくなり
あなたの目に帯びるぬめりを
冷めた視線で拒絶した
ああ
こうも毎日強ければいいのに
星の光と戯れる私は
さびしくて涙してしまうのだ
あの桜の幹は私だろうか
そうなればうれしいのに